1.冬のリヴィエラ
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
彼女(あいつ)によろしく伝えてくれよ
今ならホテルで寝ているはずさ
泣いたら窓辺のラジオをつけて
陽気な唄でも聞かせてやれよ
アメリカの貨物船が
桟橋で待ってるよ
冬のリヴィエラ 男って奴は
港を出てゆく船のようだね
哀しければ 哀しいほど
黙りこむもんだね
彼女(あいつ)は俺には過ぎた女さ
別れの気配をちゃんと読んでて
上手にかくした旅行鞄に
外した指輪と酒の小壜さ
やさしさが霧のように
シュロの樹を濡らしてる
冬のリヴィエラ 人生って奴は
思い通りにならないものさ
愛しければ 愛しいほど
背中合わせになる
皮のコートのボタンひとつ
とれかけて サマにならない
冬のリヴィエラ 男って奴は
港を出てゆく船のようだね
哀しければ 哀しいほど
黙りこむもんだね
2.女のためいき
作詞:吉川静夫
作曲:猪俣公章
死んでもお前を離しはしない
そんな男の約束を
嘘と知らずに信じてた
夜が夜が夜が泣いてる
ああ 女のためいき
どうでもなるよになったらいいと
思いなやんだ時もある
なににすがって生きるのか
暗い暗い暗い灯影の
ああ 女のためいき
男と女の悲しいさだめ
なんで涙がつきまとう
ほれているから憎いのよ
未練未練未練一つが
ああ 女のためいき
3.放浪船(さすらいぶね)
作詞:阿久悠
作曲:猪俣公章
別れ歌きく棧橋は
縁を切るひと すがるひと
世間が許さぬ 恋をして
石のつぶてを 受けるひと
ああ わたし
あてない なみだ船
傷の深さに 気がついて
あとは女の ぬけがらよ
お人形みたいに 抱(いだ)かれて
似てる面影 追っている
ああ わたし
あてない ながれ船
ここはどこやら 誰の胸
さめて悲しい 夜明けごろ
うわさに追われた ふるさとへ
明日(あす)は帰ろか 明後日(あさって)か
ああ わたし
あてない かえり船
4.わるいひと
作詞:久仁京介
作曲:森進一
死ぬか生きるか 迷うよな
恋がしたくて あなたに惚れた
はなれられない わるいひと
わたし抱いてた 燃える手で
誰を抱いてる 今夜のあなた
身の上話を ながながと
話す女は 不幸なものよ
決めてください わるいひと
死ねと云うなら 死にもする
待てというなら 待ちますあなた
二年暮らせば 五年もつ
誰が云ったか 気休め文句
あとをひくのよ わるいひと
夢とお酒と 燃える手で
墜ちていきたい 今夜もあなた
5.暗闇坂(ニューボーカルバージョン)
作詞:麻こよみ
作曲:桧原さとし
ひたひたと 女の足音が
暗闇坂に 響きます
世間に知れたら 終る恋
わかっていながら 逢いたくて…
別れられない あなたとは
夜にまぎれて 逢いに行く
これきりと 別れを決めたって
抱かれりゃ心 裏返る
あなたの吐息の ぬくもりに
小指の先まで 熱くなる…
思い一途な 紅化粧
息を秘(ひ)そめて 逢いに行く
はらはらと 女の愚かさが
暗闇坂に こぼれます
この恋隠し 通せたら
許して下さい この罪を…
明日の逢瀬が 待てなくて
夜にまぎれて 逢いに行く
6.指輪
作詞:麻生香太郎
作曲:森進一
指にくいこむ 想い出よりも
今夜はやさしい あなたが欲しい
指輪 グラスに 投げ入れりゃ
抱いて抱いてと 浮き沈み
きりもみしながら 身を焦(こ)がす
あの日私に めかくしさせて
指に通した おもいで指輪
涙ぐんだら 抱き寄せて
とても似合うと うなずいた
あなたを信じて 燃えた夜
思い切ろうと はずしたはずの
指輪にあなたが キラリと光る
いっそ憎めりゃ 楽なのに
酔えば酔うほど 恋しくて
この手に指輪を 戻すのよ
7.露の恋
作詞:麻こよみ
作曲:森進一
あなたに逢えない 淋しさに
こぼれる吐息も 涙色
世間隠(がく)れの つらい恋
消えて儚い 夜の露…
いいの夢でも 逢えればいいの
あなたは悪くない 私が悪い
本気になっては いけないと
わかっていました はじめから
月に一度の 逢瀬でも
逢えば一ヵ月(ひとつき) 生きられる…
いいの噂に 泣いてもいいの
あなたは悪くない 私が悪い
震えるこの髪 後れ毛が
欲しがるあなたの 指の櫛
二人暮らせる 幸せは
つかみきれない 夜の露…
いいの明日が 失くてもいいの
あなたが悪くない 私が悪い
8.港町ブルース
作詞:深津武・なかにし礼
作曲:猪俣公章
背のびして見る海峡を 今日も汽笛が遠ざかる
あなたにあげた 夜をかえして
港、港 函館 通り雨
流す涙で割る酒は だました男の味がする
あなたの影を ひきずりながら
港、宮古 釜石 気仙沼
出船 入船 別れ船 あなた乗せない帰り船
うしろ姿も 他人のそら似
港、三崎 焼津に 御前崎
別れりゃ三月 待ちわびる 女心のやるせなさ
明日はいらない 今夜が欲しい
港、高知 高松 八幡浜
呼んでとどかぬ人の名を こぼれた酒と指で書く
海に涙の ああ愚痴ばかり
港、別府 長崎 枕崎
女心の残り火は 燃えて身をやく桜島
ここは鹿児島 旅路の果てか
港、港町ブルースよ
9.冬の旅
作詞:阿久悠
作曲:猪俣公章
ある日何かで これを読んだら
恋人あなたは わかってくれ
泣いて一生 無駄に暮らすな
すぐにも幸せ さがしてくれ
もうあなたのところへは 帰らないだろう
ひとりひとり旅に発つ 雪の降る町へ
もしも誰かに たずねられたら
あいつは駄目だと 話してくれ
女心も 知らぬ奴だと
話を合わせて けなしてくれ
もうあなたのところへは 帰らないだろう
ひとりひとり旅に発つ 雪の降る町へ
だからあなたも 部屋を片づけ
二年のくらしを 忘れてくれ
俺の匂いの 残るものなど
一つも持たずに 歩いてくれ
もうあなたのところへは 帰らないだろう
ひとりひとり旅に発つ 雪の降る町へ
10.おふくろさん
作詞:川内康範
作曲:猪俣公章
おふくろさんよ おふくろさん
空を見上げりゃ 空にある
雨の降る日は 傘になり
お前もいつかは 世の中の
傘になれよと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない
おふくろさんよ おふくろさん
花を見つめりゃ 花にある
花のいのちは 短いが
花のこころの 潔ぎよさ
強く生きよと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない
おふくろさんよ おふくろさん
山を見上げりゃ 山にある
雪が降る日は ぬくもりを
お前もいつかは 世の中に
愛をともせと 教えてくれた
あなたの あなたの真実
忘れはしない
11.十六夜舟
作詞:白鳥園枝
作曲:中村清一
乗せて下さい 十六夜舟に
月の岸辺に 葦(あし)の葉がゆれる
愛をためらう 心と心
いいの私は かまわない
あなただけです この命
漕いで下さい 十六夜舟を
寄せるさざ波 情けの夜風
はなさないでね このままずっと
罪な女と いわれても
あなたなしでは 生きられぬ
明日(あす)のあてない 十六夜舟に
霧にかすんだ はるかな灯り
遠くはなれて 泣くことよりも
これでいいのよ なにもかも
あなたひとすじ ついてゆく
12.昭和流れうた
作詞:いではく
作曲:遠藤実
昭和流れうた 心にしみる
酒に酔う時 あなたがうかぶ
どうして どうして 忘れさせない
苦しむだけね わたしの愛は
今度は男に生れてきたい
昭和流れうた 女の涙
恋の苦しみ 死ぬよりつらい
なんども なんども あなたの胸に
抱かれた夢で 枕がぬれる
今度は男に 生れてきたい
昭和流れうた どなたが唄う
あなた恋しい 流しのギター
どんなに どんなに うらんでみても
いとしさすぐに こみあげ泣ける
今度は男に 生れてきたい
13.北の螢
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
山が泣く 風が泣く
少し遅れて 雪が泣く
女 いつ泣く 灯影(ほかげ)が揺れて
白い躰(からだ)がとける頃
もしも 私が死んだなら
胸の乳房をつき破り
赤い螢が翔(と)ぶでしょう
ホーホー 螢 翔んで行け
恋しい男の胸へ行け
ホーホー 螢 翔んで行け
怨(うら)みを忘れて 燃えて行け
雪が舞う 鳥が舞う
一つはぐれて 夢が舞う
女 いつ舞う 思いをとげて
赤いいのちがつきる時
たとえ 遠くにはなれても
肌の匂いを追いながら
恋の螢が翔ぶでしょう
ホーホー 螢 翔んで行け
恋しい男の胸へ行け
ホーホー 螢 翔んで行け
怨みを忘れて 燃えて行け
ホーホー 螢 翔んで行け
恋しい男の胸へ行け
ホーホー 螢 翔んで行け
怨みを忘れて 燃えて行け
14.襟裳岬
作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎
北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい
理由(わけ)のわからないことで 悩んでいるうち
老いぼれてしまうから
黙りとおした 歳月(としつき)を
ひろい集めて 暖めあおう
襟裳の春は 何もない春です
君は二杯めだよね コーヒーカップに
角砂糖をひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして
通りすぎた 夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です
日々の暮らしはいやでも やってくるけど
静かに笑ってしまおう
いじけることだけが 生きることだと
飼い馴らしすぎたので
身構えながら 話すなんて
ああ おくびょう なんだよね
襟裳の春は 何もない春です
寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ
15.八甲田(ニューボーカルバージョン)
作詞:坂口照幸
作曲:大谷明裕
恥じないだけの 生き方したつもり
黙(もく)して語らぬ この旅を
吹雪く火の雪 八甲田
抱いてくれるか あの日のように
雄々(おお)しくて また遠く
凛々(りり)しくて また近く
雪よ おまえと 話しがしたい
つまずくたびに どうして来るのだろう
この雪どこまで あたたかい
ここにまた立つ 八甲田
生きる力を 誰よりくれる
男なら 強くあれ
労(いたわ)れる 人であれ
雪よ 帰ると 伝えておくれ
北の大地よ 八甲田
俺もも一度 出直せそうさ
雄々(おお)しくて また遠く
凛々(りり)しくて また近く
雪よ おまえと 話しがしたい
16.ここにいるから
作詞:木本慶子
作曲:金田一郎
またねと小さく手を振る君に
元気を出せよと見送って
うつむきかげんの後ろ姿が
振り向かないこと願ってた
いつかきっと今の痛みが
明日を教えてくれる
泣けばいい 泣けばいい
いやになるほど
何もかも 何もかも
忘れるほど
張り詰めている
心を少し許してごらん
誰でも悩みの一つや二つ
抱いているって言うけれど
形も痛みも深さも違う
一番いらない言葉だね
だけどきっと昔のように
笑えるときが来るから
待てばいい 待てばいい
生き急がずに
大丈夫 大丈夫
夜は明ける
人混みの中
まぎれる君の心に届け
泣けばいい 泣けばいい
何度でも言う
大丈夫 大丈夫
一人じゃない
振り向いた時
いつでも僕はここにいるから
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